私のドイツ語学習の軌跡

外国語学習

 別記事「英語上達完全マップをドイツ語で行う」がどのくらい信用できてどのくらい信用できないかを考えていただくための一つの材料を提供すべく,私がどのようにドイツ語を学習してきたかを思い出せる限り全部書いてゆきたいと思います。

 長くなりますのでまず概要をまとめますと,

  • 2005年初めごろ 独学でドイツ語を始める(その後,散発的に大学の授業も利用する)。しかしここから5年以上の間,変則的かつ散漫な学習に終始する
  • 2010年末 基本的な文法をきちんと身につけるということにようやくとりかかる
  • 2011年4月 ドイツ人の先生による週1回の個人授業に通い始め,会話の練習をしたり作文を添削してもらったりする(~同年9月)。
  • 2011年7月 Zertifikat Deutsch(B1レベルのドイツ語試験)合格
  • 2011年秋 渡独,音大(教会音楽科)入学
  • 2012年夏ごろ 森沢洋介さんの「英語上達完全マップ」を知り,これに従ったドイツ語学習を試み始める
  • 2012年末 瞬間独作文第1ステージを本格的に開始,以降,長期休暇中に進めてゆく(2014年3月,全体の4分の3ほどまで進めたところでいったん中断)
  • 2015年9月末 突然思い立ってDSHを受験(※),DSH-2(C1レベル)合格
  • 2015年11月以降 まとまった内容を話すのが苦手だったのをある程度克服する
  • 2018年6月 長らく放ってあった瞬間独作文第1ステージの残り(全体の4分の1ほど)を一気に終わらせる。語彙力強化にも努める

となります。

「突然思い立ってDSHを受験」と書きましたが,通常はこれは認められませんのでご注意ください。DSHというのはまず大学の何らかの専攻に出願しないと受けられないのですが,この出願の締切が,外国人(あるいは非EU圏出身者)の場合だいぶ早いのです。大学によるでしょうが,冬学期入学の場合,7月半ば(入試がある専攻の場合はもっと早い)くらいです。
 私の出願が認められたのは,その年の7月にドイツの音大を卒業していたからだと思います。どういうことかというと,音大も含めドイツの大学を卒業した人は,大学入学資格の点ではAbiturを取ったドイツ人と同じ扱いになるのです。しかし,もしこれをお読みの方が将来私と同じ状況になったとき,同じようにゆくという保証はできません。念のため,早めに志望大学にお問い合わせください。

 ごらんの通り,かなり時間がかかっています。はっきり申しまして,こんな道はたどらないほうがよいでしょう。私がドイツ語を始めてからC1レベルの試験に合格する (DSH-2) までに10年以上かかっているわけですが,C1というのは,ドイツ語だけに集中すれば1年かからずに到達しうる水準です(そう聞いています)。

 いろいろな反省を踏まえて私に今言えることは,次の3点です。

  • あちこちよそ見しないで,とにかくまずは当たり前の勉強をしましょう,すなわち基本的な文法をきちんと身につけることに集中しましょう,変化表などもちゃんと覚えましょう
  • それが済んだら「英語上達完全マップ」に従って勉強しましょう(少なくとも瞬間独作文第1ステージだけは行いましょう)
  • 本当は,半年から1年ほどドイツ語だけに集中するのが最も効率がよいのでしょう。そしてそのための手段としては,ドイツ語圏にいわゆる語学留学をしてしまうというのも有効なのかもしれません。私自身には未知の世界です(ので責任を持ってお勧めすることはできません)が,実際それでうまくいった人々がいるわけですし。

 以下,ドイツ語学習のご参考になる話は多くないかもしれませんが,私のやや奇妙なドイツ語学習歴にご興味のある方はどうぞお読みください。

長かった無秩序学習時代

 私がドイツ語を始めたのは日本で大学2年生になる直前ごろ(2005年初め),19歳のときだったと思います。大学での第2外国語はフランス語でした。第3外国語としてのドイツ語の入門授業も提供されていたはずですが,それを受講することはなく,まずは独学でした。

 教材についてはもう記憶が確かではありませんが,おそらく『辞書なしで学べるドイツ語の最初歩』(大岩信太郎著)であったろうと思います。実は必修のフランス語の授業にも出ておらず,同シリーズのフランス語版『辞書なしで学べるフランス語の最初歩』のお世話になり,同書がけっこう気に入っていたからです。

 しかし,当時(あるいはもう少し前か)読んだシュリーマンの『古代への情熱』にある外国語学習法の中に,作文を書いて教師に直してもらう(そして直してもらったものを暗唱する)こと,というのがありましたので,独作文の授業だけは受講しようと思うようになり,大学2年の1年間受けました。

 授業についてゆけないということはありませんでしたが,文法の基礎が弱かったせいもあってか(そして何より,授業に対しても文法の独学においても怠惰だったせいか),最後の試験の成績は「可」でした。あと,そもそもそれなりにまとまった作文を先生に見せて添削していただいたという記憶はありません。だいたい,まとまった作文ができるレベルにまだ達していなかったと思います。ですからシュリーマン的な意味での「作文の授業」の目的は達せられていなかったと言ってよいでしょう。

 今思うと,どうしてまず文法をしっかりと身につけてしまおうと思わなかったのか不思議でなりません。シュリーマンが「文法なんか一切やらなかった」と言っていることに影響されてしまったのでしょうか。

 その一方で,これまたシュリーマンに影響されたものだと思いますが,既に内容を知っているテキストのドイツ語版を盛んに音読するということは行なっていました。これに用いたのは,新約聖書の「ヨハネによる福音書」のルター訳1967年版でした。第1章第18節までは暗唱できていたと思いますし,途中でやめてしまうこともなく,最後まで読み通しました。

 これが悪かったとは思いませんが,系統立った文法の学習の代わりにはやはりなりませんでした。はっきり覚えているのは,冠詞と形容詞の変化表を覚えたのはやっと大学4年のときだったということです。当時,観念したのかそれとも単に単位のためか,第3外国語としてのドイツ語(入門レベル,週1回の手軽なもの)の授業を半年だか1年だか受けていたのですが,その試験対策として覚えたのだったと思います。

 その割に,少量のテキストを精確に読む力はそれなりにあったようで,半年間だけでしたがドイツ史の演習(ゼミナール)に参加して何とか講読についてゆくことはできました。

 これはそれまでのドイツ語の学習の成果というよりも,受験生のときに英文法・英文解釈の勉強をよく行なっていたおかげで,ヨーロッパ言語の文の構造を読み取る力がついていたためだと思います。なお,この力は後に(2015年)ラテン語の集中講座を受講したときにも生きることになりました。私が昔ながらのいわゆる「受験英語」を肯定する理由です。

 しかし,この何年にもわたる無秩序なドイツ語学習の時期を振り返っての結論は,「やはり最初から系統立った学習をすべきである,初等文法はまず完全習得すべきである」,これに尽きます。以上述べた私の話は決して真似なさらず,ただの悪い例とお考えいただきたいと思います。

留学準備期

 ドイツ留学を本格的に考えて準備開始したのが2010年の夏,実際に渡独し入試を受けて音大に入ったのが2011年の秋でした。当然それまでより真面目にドイツ語に取り組んだのですが,この頃はまだ十分に練られた戦略を持っていませんでした。

 ろくに基礎力もないのに(そして,留学のためなのだからとりあえず話したり聞いたりする力を最優先でつけなければならないのに)『独文解釈の秘訣』(英語の受験参考書でいうと『英文解釈教室』のようなもの)に手を出していたあたり,本当に何も分かっていなかったのだなと思います。なお,初めの3課だけやってやめてしまったという記録が残っています。

 Amazonによると,私は『関口・初等ドイツ語講座』全3巻を2010年11月30日~12月1日に注文したのだそうです。どうやらここでようやく,最初から最後まできちんと文法を習得するということに着手したようです。この本をどのように使ったかですが,当時の日記を読み返すと,付属CDを用いて「読本」のリピーティングやシャドーイングもしていたようです。

 並行して語彙力の強化に努めました。単語集はいくつか試しましたが,結局『独検3・4級必須単語集』(今は『新 独検対策4級・3級必須単語集』という新版になっています)に落ち着きました。英語の『DUO』のように,1つの例文に複数の新しく学習すべき単語が含まれている,というのが気に入った点です。

 そしてさすがに実際に話す訓練もしないとまずいと思い,4月から半年間,ミヒャエル・ドイツ語教室という個人の教室に通いました。講師のMichael Neuber先生は今はベルリンに住んでオンライン・レッスンを提供していらっしゃいますが(それに伴い教室名も変更になったようです),当時は東京在住で,私は週1回90分の個人授業を受けていました。

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 よい授業で,音楽留学志望者の面倒を見ること(願書や履歴書の書き方,音楽用語など)にも慣れていらっしゃるので本当に助かりましたが,如何せん1人で受講すると高くつきますので,2人以上で受講するほうがよいでしょう(先生ご自身も,費用だけでなく学習効果の面からもそれを勧めていらっしゃいます)。

 このように習いに行く場合の受講間隔についてですが,週1回よりも間が空くのは避けたほうがよいと思います。何かの都合で1度休み,レッスンとレッスンの間が2週間空いたことがあるのですが,2週間空いたあとのレッスンではドイツ語を聴き取ったり話したりするのが急に難しくなった,という経験があるからです。

 もっと言うと,1回当たりのレッスン時間が短くなってもよいから,週に2回受講すると2倍どころではなくぐっと効果が高まるかもしれない,とも思います。というのは,学習心理学の本に次のように書いてあるからです。

 1週間に1度では,上達しないわけではないが,大きな上達は望めない。
 週に2度にすれば,週1度の場合と比べると,上達の速度は雲泥の差となる。

岡本浩一『上達の法則』PHP新書,p. 51

 ここで言われている「1週間に1度」「週に2度」というのは自習も含めての回数のことですので,この言葉だけをもって「週に2回レッスンを受けたほうがよい」と言うことはできません。しかし,自由会話の練習は独りではなかなかできませんから,もしかするとと思うのです。

 留学先の事務局に入学時のドイツ語能力の要求水準を問い合わせると,とりあえずB1を取ってこいとの返事でしたので(この水準に満たないと入学が許可されないというわけではないようでしたが),Michael先生にしばらく対策授業をしていただいた上で7月にZertifikat Deutschの試験を受け,300点満点中269点で合格しました。

 ただ,リスニング(97%得点)がまぐれだったのははっきり覚えています。2択問題で,どちらを選べばよいかよく分からなかったものがいくつもあったのですが,それがことごとく当たってしまったのです。4択,いやせめて3択くらいならまだしも,2択問題なんて出してはいけないと思います。

 Zertifikat Deutschの試験が済んでからは,自由に作文を書いて添削していただくということをよくしていました。直される前の原稿がいくつか残っているのですが,細かいミスは見られるものの,総じて文法はもうよく身についているな,なかなかよく書けているなと感じます。

 それくらいの力はあっても,後述のようにドイツに行ってみたら聴いたり話したりにはずいぶん支障がありました作文力はあるはずなのに,話すとなると単純な文でもまともに組み立てられないことがしばしばでした。これが本当に解消したのは「英語上達完全マップ」を自分のドイツ語学習に応用するようになってからだったのですが,それはまだしばらく先の話です。

 あとは,創世記のヨセフ物語(第37~50章)をドイツ語で何度も何度も聴いていましたが,はたしてこれに大きな効果があったかどうかは分かりません。私の感触では,あまりなかったのではないかと思います。

ドイツ1年目

 というわけでB1レベルのドイツ語で留学生活を始めましたが,これは留学開始時点の力として適当だったかというと,明らかに不足だったといえます。とにかく授業(集団授業)が何を言っているのかほとんど分かりませんでしたし,会話でもまともな文で発話するのが困難でした。個人レッスンでは先生が私に合わせて話してくださるので大丈夫でしたが。

 周りの留学生たちを見ていた限りでは,B2レベルをクリアしていれば1年目もそこまで苦労しないようでした。といっても,B2レベルの人のドイツ語というのははっきり言ってピンキリでしたが(それなりに流暢であるもののブロークンにしか話せない人もいる)。

 なお,B1,B2などと書きましたが,これは音大だから許された話で(しかしそれも大学や専攻による),総合大学の学生になる場合はたいていC1レベルが入学時点で要求されます。

 といっても(総合大学への入学を目指す場合も含め)渡独時点で十分なドイツ語力を身につけていなければならないわけではなく,とりあえず行ってしまってから1年間ドイツ語に集中し,そしてから本格的に大学での勉強を始める,という道もあります。このようにしていた人たちは少なからずいました。

 私が大変だったのは,これなしにいきなり普通の学生生活を始めてしまったことによります。あまりにも大変だったので,1年生で履修すべき科目のうち3つを諦めて先延ばしにしました。

 私はもともと人付き合いが苦手なものですから,ドイツに来たにもかかわらずドイツ語を話すことはあまり多くありませんでした。特に1年目はそうでした。幸いごく小規模な学校(全専攻合わせて1学年25人程度だったと思います)でしたし,よい人が多かったので,完全に孤立することはありませんでしたが。

 私のように非社交的な人には,そういうわけで小規模校をおすすめします(もちろん,何を勉強したいかによりますけれど)。 いくら独りでいるのに向いた性格でも,せっかく留学するなら現地で出会う人々と少しは交わったほうが人生が豊かになるというものです。それに音大で勉強する場合,伴奏をお願いしたりということもありますから,完全に独りでいるというのは無理に近いと思います。

 そんな中していたドイツ語の勉強はというと,はっきり覚えているのはフランク・リースナー/矢羽々崇/能登慶和『ゆっくりだから聞きとれる! ドイツ語がわかるリスニング』(Amazonによると,渡独3か月前の2011年6月下旬に購入)の付属CDを聴いたり(速度を上げて聴くこともよくしていました),テキストの暗唱を試みたりしていたことです。

 暗唱したテキストに含まれていた表現を会話の中で用い,そのおかげでしっかりした一文を発話できたことがあり,それは嬉しかったのか今でも覚えています。

 なお渡独してしばらくはドイツ語教室に通う人も多いようですが,大学の授業があまりに忙しかったので,そんなことは思いつきもしませんでした。

  日記やFacebook投稿を読み返すと,どうやらこの留学1年目の終わりの夏に,私は森沢洋介さんの優れた(そして正攻法ど真ん中といえる)英語勉強法「英語上達完全マップ」を知ったようです。

 そして「音読パッケージ」と「瞬間英作文」ならぬ「瞬間独作文」を早速試みており,前者には『関口・初等ドイツ語講座』を,後者には尾崎盛景・稲田拓『ドイツ語練習問題3000題』を用いていたとの記録があります。

 いずれもこのような目的に使えなくはないものの,最適とまではゆかない教材です(特に後者)。『関口・初等』による音読パッケージはしばらく続けたものの,『3000題』での瞬間独作文は少しだけでやめた覚えがあります。

 『関口・初等』による音読パッケージですが,記録を見る限り,Lektion 13(第2巻の終わりから2番目の「読本」)でやめてしまったようですし,それにそれぞれ2サイクルしか回さなかったようです。すなわち,リピーティング,シャドーイング,音読を合わせて30回行う第1サイクルと,同じことを回数を減らして(私は15回にしました)行う第2サイクル,ここまででやめてしまったようです。

 それに,同じ文法項目・同じ単語が何度も何度も出てくるこの「読本」の性格上,全部の文を何十回も音読する意味があるのだろうかと途中から思うようになり,一部の文に限って行うようになりました。本の中に当時の私の書き込みがありまして,「各Lektionのはじめの7文程度を徹底訓練し,残りを演習に用いる」とあります(しかし,少なくともLektion 1とLektion 2くらいは,全文を「音読パッケージ」した記憶があります)。

 この「演習」というのは,和訳から原文を再生するトレーニングでした。「瞬間英作文」と似ているようですが,先に一度原文を見たり音読したりした上で行なっていたという点で異なります。

ドイツ2年目――瞬間独作文――

 『ドイツ語練習問題3000題』を瞬間独作文に使うのは限界があると感じ,森泉『しっかり身につくドイツ語トレーニングブック』を注文したのは2012年9月でした。しかし実際に使い始めたのは年末だったということが学習日の記録から分かります。

 この本は,私が最も徹底的に取り組んだドイツ語教本となりました。私の今のドイツ語力,特に話す力はたいへん多くをこの本に負っています。ここでこの1冊に取り組んだことが,その後の留学生活を含む今に至るまでのドイツ生活の質をどれほど高めてくれたか分かりません。

 カバーに「書いて覚えるので忘れない」とあるように,この本は本来,書いて独作文(和文独訳)することで文法および基本単語を身につけてゆこうというものです。しかし今回は瞬間独作文ですから,一切書きません。問題の日本語文を見て口頭で独訳し,直ちに巻末の解答を見て答え合わせします。

 別記事(↓)に書いた通り,復習方法としては「サイクル回し」ではなく,最初からspaced rehearsalを採用しました。サボったり忘れたりして復習タイミングがずれることはしばしばでしたが。

 大学の勉強が忙しかったので,基本的に休暇中のみ進めてゆきました。ただし復習だけは学期中も極力行うようにしました。

 留学2年目の終わりの夏休みに第25課(現在完了形)まで進み,そこで新学期になりましたので,第26課に取りかかるまでにはそれから3か月以上空いてしまいました。しかし第25課までの分だけでもけっこう話せるものですから,留学3年目の途中には会話がだいぶスムーズになっていました。

 ご参考までに,第26課以降で扱われる(つまり,この時点で私がまだ瞬間独作文していなかった)内容を記します。

  • 過去完了形と未来完了形
  • 再帰代名詞と再帰動詞
  • 受動態
  • 不定代名詞と指示代名詞
  • 関係代名詞
  • 関係副詞と不定関係代名詞
  • 比較級・最上級
  • zu不定詞とzu不定詞句
  • esの用法
  • 接続法の作り方
  • 間接話法
  • 非現実話法

 なお,ごらんのように『しっかり身につくドイツ語トレーニングブック』は文法項目別に問題をまとめてある教本ですので,3つある瞬間作文のステージのうちの第1ステージ(文型別トレーニング)用ということになります。

 第2ステージ(文型シャッフルトレーニング)の訓練は,今に至るまで自覚的に行なったことはほぼありませんし,必要も感じません。これは,私はドイツ語圏で学生をしたり仕事をしたりしているので,普段の生活そのものが第2ステージの訓練になっているのだ,と説明できるだろうと思います。

 このように,ドイツ語を日常的に用いる環境に身を置く場合,瞬間独作文は第1ステージだけ行うのでもよいと考えられます。しかし,第1ステージはほかのもので替えがきかないと思ったほうがよいでしょう。まず文型別にトレーニングしてしっかりと「型」を身につけないと,ただ普段ドイツ語を話しているだけでは,子どもでもない限りまともなドイツ語を身につけるのは困難です。

 実際,周りの人たちとは私よりずっと多く話していると思われる非ドイツ語圏出身者が,いつまでたっても文法的に整わないドイツ語しか話さない・書かない,というのは何例も見てきました。長期間ドイツにいる(しかもドイツ語を使って仕事しているとか,ドイツ人と結婚しているとかいう)人でさえそういうことがあります。ご注意ください。

 なお第3ステージ(より豊かな表現の獲得)については,第2ステージと違って再び自覚的に行う必要があるな,というのが私の実感です。ただ話しているだけだと,手持ちの表現を繰り返し用いるばかりになって,いくらドイツ人がほかの表現を用いるのを聞いてもなかなか自分のものにはなりません。使える表現を増やしてゆくには,気になる言い方に出会うたびに書きとめ,繰り返し練習するしかないと思います。 私は,そういうのは(なるべく何らかのクイズ形式にして)”Anki” に放り込むようにしています。

ドイツ3年目

 記録を見直すと,瞬間独作文は2014年春,つまり留学3年目の春休みまで進めたものの,そこで一度中断してしまっていることが分かります。この2014年春までに学習したのは

  • 第26課(過去完了形と未来完了形)
  • 第27課(再帰代名詞と再帰動詞)
  • 第28課(受動態)半分くらいまで

これだけでした。第27課の後半と第28課については,2018年になってからやり直しているところを見ると,復習不十分であまり身についていなかったのかもしれません。

 2013年の晩秋(留学3年目),熟語を覚えようと,在間進・亀ヶ谷昌秀『新・独検合格単語+熟語1800』第1章の「差が出る熟語」の部分に手を出しています。2回しか復習しなかったため全部は身につきませんでしたが(この本がどうも好きになれないせいでもあったかもしれません),やってよかったと思います。熟語の中には,あらかじめ知らないと分かりようがないものもありますから。勉強したとたんにその熟語が会話の中でちゃんと耳に入るようになる,ということもありました。

 この3年目の終わりの夏休み,4週間のドイツ語講座を受講しました。最初に文法テストによるクラス振り分けがあり,なんと一番上(C2レベルを目指すクラス)に振り分けられてしまったのですが,行ってみたらついてゆけなかったので,自主的に一つ下のC1.2クラスに移り,するとちょうどよかったのでそのままそこに通いました。

 2011年夏のZertifikat Deutsch(B1)合格以来,自分のドイツ語力を客観的な指標で測る機会がなく,しかも学校に通うのではなく独りで勉強してきましたので,それまで自分の実力がどんなものか分からなかったわけです。そのような状況でしたから,この「C1.2クラスに通った(それでちょうどよかった)」という経験は,自分のしてきた勉強が間違っていなかったという意味で大いに励みになりましたし,自信にもなりました。

 ただそれでも,同じクラスのほかの受講生たちに比べて自分は弱いなと感じた点はあり,それはまとまったテキストを聴いたり話したりする能力でした。私以外は皆ドイツ語圏でないところに住んでいる人たちでしたから,普通ならばこれは逆になるところなのでしょうが,事実,ドイツに住んでいる私のほうがリスニング力とスピーチ力は弱かったのです。

 なお,ドイツ語力がこの夏期講習で伸びたかというと,伸びた気はほとんどしませんでした。学習の目的をはっきりさせ,それに応じた教材を選んで独学する,というほうがやはり自分には合っているのだなと改めて思いました。

 しかしこのドイツ語講座,豊富なレクリエーションがついていて,世界中から来た受講生たちとともに本当に楽しい時を過ごすことができました。はっきり言って,ドイツ語力がついたかつかなかったかはどうでもよいと言えるほどに,幸せな時間でした。私は基本的に,国際的な (つまり,日本人が大部分を占めるとか,ドイツ人が大部分を占めるとかでなく,さまざまな国の人がいる) 集まりにいると居心地がよいので,この夏の間はいつもよりずいぶん外向的な性格になることができていました。

ドイツ4年目――突如DSH受験――

 Bachelor課程の卒業の年度で,卒業論文と卒業試験で大変だったということもあり,ドイツ語の勉強はほとんどしなかったと思います。

 2015年7月に無事卒業し,8月をラテン語集中講座に費やした後,9月前半に突如思い立って国際グレゴリオ聖歌学会(AISCGre)の大会(4年に1度開催される)に行ってきました。そこでいろいろな講演を聴いて大いに触発され,神学部で勉強したいという思いが急に強くなりました(聖職者になりたくなったという意味ではありません)。

 帰るとすぐに,10月に神学部に入学すべく動き始めました。既に音大の修士課程(しかも2専攻同時)への入学が決まっていて,そちらと並行で通おうと考えたのですからなかなかクレイジーです。

 神学部のあるUni(Universität)に問い合わせると,DSH(Deutsche Sprachprüfung für den Hochschulzugang:大学入学のためのドイツ語試験)を受けろと言われましたので,もう試験直前でしたが少しでも力をつけようと,久々に瞬間独作文を少しだけ進めました。ほかに自分で何をしたかは覚えていませんが,ある日Uniの事務局に行くと,ちょうど直前対策講座をやっているところだから行くとよい,と教えてもらい,半日だけでしたが行ってきました。

 この直前対策講座で印象に残っていることが一つありまして,それは「これはDSH-3レベル(C2レベル)の問題です」と言って出された文法問題が,『関口・初等ドイツ語講座』にごく普通に載っている事項に関するものだったということです。文法は『関口・初等』だけで十分なのだなと感じました。

 DSHは筆記試験と口述試験とに分かれており,全体を1000点満点とすると,前者が700点満点,後者が300点満点です。筆記試験内での各分野の配点は,リスニング200点,リーディング200点,文法問題100点,ライティング200点です。

 神学を含むたいていの専攻に必要な成績はDSH-2というもので,これは得点率67%以上を意味します(82%以上だとDSH-3になります)。筆記・口述それぞれでこの67%以上というのを満たさなければなりません。

 9月22日,筆記試験を受験しました。700点満点の67%ですから,469点以上が目標となります。なお,DSHは基本的に記述式で,選択問題はなかったかあっても少しだったと思います。

  • リスニングで試験が始まる。いきなり絶望的と言いたいくらいにできない(たしか,何か生物学系の話だった)。解答欄が空白だらけに。しかし部分点だけでも何とか取ろうと,何が語られたのかよく分からないまま,無理矢理何か書けるだけ書いた。予想得点率:よくて30%。
  • リスニングの後休憩になった。既に大量失点しており,もう失敗確定,残りの試験を受けても無駄かと思ってしまうところだが,ここで前向きに考えた。「あと何点落とせる?」リスニングの配点は200点(7分の2),確かに大きいが,しかしたかが7分の2といえばたかが7分の2である。この200点のうち少なくとも70%を失った。ということは140点失点。全体で失点できるのは231点まで(700-469=231)。231-140=91,残り500点のうちあと91点までは落としてよい。そして私はリーディングとライティングと文法には強いはずである。まだ希望はある気がしてきた。
  • リーディング,文法問題と,予想通り順調に進む。
  • ライティングで意外にもかなり苦労する。どういう問題だったかはもう忘れたが,とにかく書き始めるまでにかなり時間がかかり,時間がもうあまりない状況で一気にダーッと書いた。下書きも推敲もなく,当然雑になった。

 リスニングでだいぶ落としたと思われただけでなく,何とかなるだろうと思っていたライティングまでもこんなことになってしまったので,失敗をほぼ確信しました。

 ところが1週間後,筆記試験の結果発表速報が出たので見たら,なんと得点率70%,DSH-2合格とあります。びっくりしましたし,いったい誰がどんな基準で私の答案を採点したんだ,と思いました。

 この時点では各分野での得点までは出ていなかったので,自分なりに推測してみました。

  • リスニング:70/200,35%(目一杯よく見積もって)
  • リーディングと文法:280/300,93%
  • ライティング:140/200,70%

これで合計490/700,70%となります。

 ところが後日正式に結果が返ってきて,実際には

  • リスニング:57%(!!!)
  • リーディング:87%
  • 文法問題:80%
  • ライティング:63%

でした(リーディングと文法を合わせると84.7%となります)。

 リスニングの57%は,無理矢理解答欄をなるべく埋めたとはいえ,それでも何も書けずに終わったところがけっこうあったものですから,どうやってもこんな得点率になるのは不可能だと思われ,どういう基準で採点されたのか今でもよく分からずにいます。もしかして,問題の難易度が高すぎてみんなあまりにもできなかったので得点調整(一律加点)でもしたのではないかと,冗談ではなく少し思っています。それでもここから一つ言えるであろうことは,無理だと思えても諦めないで,とにかく1語でも書けそうだったら解答欄を埋めようと試みるべきだ,ということでしょう。変なことを書いても最悪0点であって,マイナス点になるわけではありません。つまり空欄にするより良くなることはあっても,悪くなることはないのです。

 逆に,自分の手応えに比べて得点できていなかったのは文法問題でした。どんな問題で落としたのかは残念ながらもう覚えていません。2割も落としたので,「文法は『関口・初等』だけで十分」という上に書いた言葉をそのままにしておいてよいものかどうか分かりませんが,しかし別の見方をすればここの配点は少なめの100点であり,700点中の20点(3%弱)を落としたに過ぎません。この20点を取りに行くよりは,リスニングやライティングを鍛えたほうが効率がよいでしょう。その意味でやはり,文法の教材についての上記の見解はそのままにしたいと思います。

 ライティングはまあこんなものでしょう。いや,試験直後の感触ではこれよりずっと悪いだろうと思っていましたので,ありがたいと思わなければなりません。上述の通り雑なものを書いてしまったには違いありませんが,それでもとにかく,時間がない中でけっこうな量を書くことができたおかげで最悪の事態は避けることができたということになります。その意味で,ここで何より役に立ったのは文法的にまともなドイツ語文を高速に発する力だということになり,つまり瞬間独作文が効いたのだと言ってよいのではないでしょうか。まあ,63%というのはDSH-2の要求水準に満たないということですから,それだけではだめで,ちゃんとDSHの形式に応じた対策をしなければならないことに変わりはありませんが。

 筆記試験を突破したということで,本来ならば口述試験に進むはずなのですが,これはなぜか免除されました。Uniの事務局によると,けっこう多くの人が免除されるとのことでした。記録上は,75%得点して合格したことになっています。というわけで口述試験については何も言えることがありません。

 こうしてめでたく神学部に入ることができたのですが,やはり音大のほうとの両立ができず,1単位も取得することなくやめてしまいました。しかしDSHは生涯有効ですので,またUniに行きたくなったときにはもうドイツ語の試験を受ける必要がなく,これはよかったと思っています。

ドイツ5~6年目――ドイツ語で授業する――

 留学5年目は,これから何に力を入れてゆくかの模索の1年でした。そのため,音楽理論とオルガン教授法と神学を同時に専攻し,おまけにグレゴリオ聖歌のゼミナールにも出るというとんでもない状態だったのですが,次第に得意分野の音楽理論に集中しようと思うようになってゆきました。 

 音楽理論科は音楽理論(和声法,対位法,楽曲分析など)の教師を育てることを主要な目的の1つとしていますので,教育実習が必修でした。ほかに適当な日本語を思いつかないので教育実習と書きましたが,初等・中等教育の学校に行って子どもたちを教えたということではなく,通っていた音大でBachelor課程の学生たちを相手に音楽理論の授業(1回90分,ただし多少短くなっても許された)をした,ということです。2016年1月からだいたい1か月に1度のペースで実習がありました。

 とにかくグループの前に立ってリードするということが苦手である上,まとまった内容をドイツ語で話すことは上述の通りあまりよくできなかったものですから,初回の実習を迎える前はずいぶん不安だったものです。一人でただ話し続ければよいわけでなく,学生と対話したり質問に答えたりもしなければなりませんから,100%準備するということは不可能ですし。

 自分なりの対策として,まず短いドイツ語テキストの暗唱をしばらく行いました。適当な対策だったのかどうかは分かりません。ともかくこれに用いたのは阿部賀隆『独文解釈の研究』で,なぜかは分かりませんが第44課から始めてだんだん前に戻っていったという記録が残っています。そうして第35課まで進んだ(戻った)ようです。それぞれ4回復習(5回学習)したのですが,今では何でも7回は復習する主義の私ですので,あと3回ほどやっておけばよかったと思います。

 あとはとにかく,授業の中で話すことを何度も声に出して練習しました。何をどのような順序でどういうやり方で行うか,という計画は書きましたが(書いて提出しなければなりませんでしたし),話すこと自体は極力書かずに口頭だけで練習するようにしました。何度も何度もつかえたり,説明がこんがらがったりしましたが,ひたすらやり直しにやり直しを重ねて仕上げてゆきました。

 思うに,この「原稿は(極力)書かずに口頭だけで練習する」というのが,ある程度長く話せるようになるためには避けて通れない/通りがたい訓練法なのではないかと思います。同じものを繰り返し練習していると結果的にはほぼ覚えてしまいますので,結果だけ見ると原稿を書いて暗唱するのと同じであるようにも思えますが,実際に行なっての感覚としては,それとこれとではやはり頭の使い方が違っていると思います。そして,いつの日か準備なしあるいは少ない準備でもかなりよく話せるようになる,というステージにつながっているのはどちらなのかといえば,これはまず確かに「書かずに口頭で練習する」ほうだろうと思います。

 これは即興演奏の訓練でもそうです。教会音楽科に入学し,オルガン即興のレッスンに行くと最初に言われたのが,「書くな」ということだったのです(ただし,書かずに仕上げたものを譜面に起こしてチェックするのはよいことだ,と,後年別の先生がおっしゃるのを聞きました。これは最初から五線紙に向かって曲を作ってゆくのとは全く違う話ですから,上の「書くな」の原則と何ら矛盾するものではありません)。

 このように準備して臨んだ実習1回目は,驚くほどうまくゆきました。全く落ち着いて自然に話すことができましたし,学生から質問が来てもよどみなく答えることができました。

 この実習の経験からも,これ以降のほかの経験からも思ったことは,よく準備して臨めば,準備していないこと(突っ込んだ質問など)が起きてもよく対応できるものだな,ということです。

 このようにまとまった内容を話す力がついたほか,音楽理論科ではよく本(理論書や教程書)を読まされましたので,読解力もついてきました。このころになると,ドイツ語で読むことをするだけで話すのもなめらかになるのを感じることがありました。瞬間独作文で下地ができているので,読むといういわば受動的な営みによってでも,発信力を含めた頭の中のドイツ語回路が活性化することができるようになった,ということでしょうか。

 一時,インターネット上でドイツ語の新聞を読んだり,ニュースについてFacebookで(知らない人たちと)論争したりということをしていたこともありました。これはドイツ語で多く読んだり書いたりする練習としては悪くなかったと思いますが,こういうことにあまり時間を使っていると自分の問題を考え自分の人生を生きることがおろそかになるように思えてきましたので,わりと短期間でやめました。

 留学6年目は完全に音楽理論に集中しました。ドイツ語に関しては,5年目に起きた成長が続いたというところです。引き続き音楽理論の授業をする実習があったほか,Uniの音楽学のゼミナール4つに参加することが必修でしたので,そちらで1つのゼミにつき1回30分の口頭発表を行いました。あと,修士論文(130ページ余り。譜例が多かったので,文字だけに直すとその半分ですが)を書くことで,書く力もだいぶ上がったと思います。

 このまま音楽理論で身を立てる(非常勤講師から始めて大学で教えるキャリアを築く,博士号を取るなど)という道もあったのですが,修士論文で疲れて「もういいや」となってしまっていたこと(十分に興味を持てるテーマを選ばなかったのが悪かったのだと今は思います),音楽理論科の学生になって以来何度となく「私は,教会音楽のためにドイツに来た」という内心の声を聞いていたこと,そして何より,魅力的な教会オルガニスト募集広告を見たことにより,結局教会オルガニストとして就職しました。

ドイツ7年目以降

 私が就いた職(今の職です)はフルタイムのものではなく,その62%ほど働けばよい(ドイツではフルタイムでなくても正規雇用されるので,給料も単純に62%)ものでしたので,初めのうちは並行して週1回某音大に通い,オルガン即興のレッスンを受けていました。

 しかし,しばらくしてやはり自分の一番強い分野である音楽理論を生かすべきであるような気がしてきて,2018年6月,某音大(即興を習っていたところとは別)が音楽理論と聴音の非常勤講師を募集していたのでこれに応じました。が,応募して1週間後に書類審査で落ちました。

 書類審査で落ちるまでに1週間ありましたので,採用試験に進んだ場合に備え,さらには採用されて毎週何時間も授業をするようになった場合に備え,改めてドイツ語力の強化に努めました。ここで行なったのは,長らく放っておいた『しっかり身につくドイツ語トレーニングブック』での瞬間独作文の最後の4分の1(第27課練習2以降),それから語彙力強化です。

 復習スケジュール管理機能つき一問一答ソフト “Anki” では,自分で問題と答えを入力してゆくこともできますが,ほかの人が作ったカードを利用することもできます。このときの語彙力強化に私が利用したのが,オンラインで公開されているドイツ語単語カード集 “Wortschatz – Stufe C1/C2 – Lückentest DE-DE” (Martin Perlinski氏による) でした。C1/C2とあることから想像できる通り,相当手強い,それだけに勉強になるカード集でした。このPerlinski氏はほかにも “Anki” 用のさまざまなレベルのドイツ語教材を公開していらっしゃいます。

 あと,YouTubeで “Deutsch mit Marija” というチャンネルをよく見ていました。良質で気軽なドイツ語講座ですが,ほぼすべてドイツ語で話されていますので,ある程度の聴解力が必要です。

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 書類審査で落ちてからもドイツ語の勉強はしばらく変わらず続けました(「まだ確定ではない」と言われていたこともあり)。いろいろな理由からオルガン即興を習い続ける意欲も失っており(実際,この2018年6月に退学届を出しました),本業は先ほど書いた通り時間的に余裕があるものですから,何か自分のほかの能力を生かして将来的に仕事にもつなげてゆきたい,と思っており,すると「ドイツ語」というのは一つ,仕事になりうる技能ではないかという考えがあったのです。

 結局これも徹底することはなく,一時はC2試験を目指そうかなどとも思っていましたが受験することはありませんでした。

 なお,その後9月にまた別の音大の非常勤講師募集に応じ,今度は採用試験まで進みましたが,やはり不採用となりました。

 最後のほうは余談のような内容が多くなってしまいましたが,以上が私のドイツ語学習歴となります。この経験(成功も失敗も)をもとにして考える効率のよいドイツ語学習計画案,教材のレビューなど,今後少しずつ書いてゆきたいと思います。長文を終わりまでお読みくださいまして,ありがとうございました。

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